【秩父】般若山・釜ノ沢五峰を巡る小鹿野アルプスを歩く

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2023年1月3日、木々の葉が落ち山眠る中、埼玉県の小鹿野町にある小鹿野おがのアルプスを歩いてきました。

小鹿野アルプスってどんなところ…?

小規模の山々で構成される所謂ご当地アルプスは日本全国各地域に存在します。埼玉県の秩父では長瀞アルプスや皆野アルプスなどが有名ですが、札所32番法性寺ほうしょうじから釜ノ沢五峰かまのさわごぼう付近の山々で構成される一帯は小鹿野アルプスと称されています。

小鹿野アルプスは1番高いピークでも500m少々で総距離も8km程の低山ですが、抜群の眺望や岩場・鎖場などスリリングな山行が楽しめるコースになっています。

今回は札所32番法性寺から般若山へ登り、一度麓の釜ノ沢へ降りてから釜ノ沢五峰を巡るルートを紹介します。

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アクセス方法や駐車場もまとめているのでぜひ最後までご覧ください。

目次

小鹿野アルプスに登った結論、難易度は?

結論から申し上げると、小鹿野アルプスは登山初心者でも登ることができました。

ただし一部登山道が不明瞭かつ滑落ポイントもあるので登山慣れしていない初心者の方は注意が必要です。

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最低限の登山装備やGPSアプリ、事前に登山ルートをよく確認しておくなど万全の準備は必須。できれば初心者だけでの山行は控えましょう。

魅力
  • 趣深い秩父札所34ヶ所の1つ「法性寺」
  • 難易度が高すぎない岩場・鎖場で初心者のステップアップに最適
  • 低山ながら秩父の山並みを見渡せる眺望
注意点
  • 踏み跡が不明瞭な箇所があるので道迷いに注意
  • 所々にある足がすくむような高所
  • 札所を通過するためには拝観料300円が必要

般若山は秩父札所32番法性寺の奥ノ院がある岩峰。登山の対象としてはマイナーで「秩父札所巡り」札所巡りで訪れる方が多い山ですが、切り立った岩壁や鎖場などがコース上に点在しています。

そもそも秩父札所巡りとは秩父地域にある全34か所の観音霊場を巡るお遍路巡りで、札所1番〜34番まで徒歩で巡ると総距離100km程になります。札所巡りについては下記リンクで確認していただくのがいいと思います。

秩父観音札所34カ所。秩父盆地の中、静かな山村に、民家の間に点在する34カ所のお寺さん。どこも意外に小さく、素朴であたたかい。札所と札所を結ぶ巡礼道はレンゲ畑、タンポポ畑、あるいは梅林、そんな田園風景。ふるさとハイキングでもいい、ドライブでもいい、タイムトリップ札所を楽しみませんか。

”秩父観光協会HPより引用”

低山というとお手軽なイメージがありますが、落ちたらただでは済まない高所や、マイナーな登山道であるが故に踏み跡が不明瞭なところがあり道迷いしやすいです。

登山を始めたばかりの方は特に滑落や道迷いのリスクが高いので、登山慣れした方に同行してもらうか他の山で慣れてからステップアップとして登ることをオススメします。

小鹿野アルプスのアクセス、駐車場情報

小鹿野アルプスへのアクセスはマイカーまたは電車とバスを乗り継ぐ方法になります。

車でアクセス

札所32番法性寺駐車場
”法性寺駐車場”

車でアクセスする場合、法性寺の駐車場を無料で利用できます。
法性寺山門前の駐車場は参拝客用なので、登山客は50m程手前にある駐車場に停めてください

公共交通機関でアクセス

公共交通機関でアクセスする場合、西武秩父駅から小鹿野町営バスが出ています。

本数が非常に少ないので事前にこちらから時刻表を確認しておいてください。

あわせて読みたい
町営バス&乗合タクシー | 小鹿野町 埼玉県小鹿野町の公式ホームページです。

降車するバス停は「般若の丘前」「長若中学校前」です。乗車料金はどちらも一律500円ですが、交通系ICが使用できないので小銭を忘れないようにしましょう

般若の丘前から法性寺を目指す場合は般若の丘公園を経て山道歩き、長若中学校前からは終始舗装路歩きです。

時間や体力に余裕があれば般若の丘前の方が景色の変化を楽しめるのでそちらもおすすめ。

乗車降車法性寺までの時間
西武秩父駅(8:20)般若の丘前(8:50)1時間(9:50)
西武秩父駅(8:20)長若中学校前(8:48)40分(9:28)
”スケジュールの目安”

小鹿野アルプス登山詳細

小鹿野アルプスのオススメ登山ルート

小鹿野アルプス登山ルート

札所32番法性寺から般若山へ登り、一度麓の釜ノ沢へ降りてから釜ノ沢五峰を巡るルートが最もポピュラーです。

般若山・一ノ峰・二ノ峰・釜の沢三峰・四ノ峰・釜ノ沢五ノ峰・中ノ沢ノ頭・竜神山 / takuさんの竜神山(埼玉県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
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YAMAPの活動記録を載せておきますので是非ご活用ください。

札所32番法性寺を経て般若山へ

駐車場から車道を左に進むとすぐ、法性寺の鐘桜門しょうろうもんが現れます。
鐘楼門は宝永7年(1710年)に建てられ、2階に鐘を吊るした珍しい門です。

門をくぐり、石段を越えると本堂があります。
5月あたりに訪れると、境内はツツジの花で囲まれるそうです。

般若山だからなのか、本堂には般若の面が飾られていました。

法性寺を通過する場合、境内の自然環境保護費用として拝観料300円を納める必要があります
本堂前に集金箱が置いてありますので投入してから進みましょう。

”毘沙門堂”
”観音堂’

境内には観音堂などの歴史ある建造物が立ち並び、厳かな雰囲気に包まれています。

奥の院を目指すため、岩のトンネルをくぐり抜け登山道へと入ります。

岩を削って造られた石段を登り先へと進みますが、苔むしていて濡れていると滑るので注意してください。

由来はわかりませんが、月光坂がっこうざかと名のある坂を登っていきます。

坂を登り切った先に岩窟と石仏が現れました。

岩窟の奥にある穴は、岩の内部にある塩が結晶化し岩石を削ってできた穴で、タニファと呼ぶそうです。

ここまで来ればもう一息で奥の院になります。

奥の院の分岐に出ました。
登山道の順路は左ですが、お船観音を拝むため一旦右に進路を取ります。

”奥の院 岩船観音像”

分岐を曲がって40m程でお船観音に着きました。
法性寺から登り始め、ここまでは眺望がありませんでしたが一気に視界が開けます。

観音像と景色を楽しんだら一度来た道を戻り、大日如来像を目指しましょう。

大日如来像は垂直に近い岩を登った先に祀られています。

鎖を使い、岩壁をよじ登っていきます。

岩壁には途中の石段のように足をかけるところが彫られているので簡単に登れます。しかし、かなり高所感があるので高いところが苦手な方は注意してください。

”奥の院 大日如来像”

大日如来像のある場所が般若山のピークという扱いになると思います。山頂は狭く定員1〜2名ほどの足場しかない場所です。

岩場のピークを継なぐ、釜ノ沢五峰へ

大日如来像を拝んだら、釜ノ沢五峰を目指します。
ここから先は本格的な登山道へと切り替わります。

踏み跡が若干不明瞭なので、所々にあるビニールテープを見落とさないよう注意しながら進みましょう。

一つ目の鉄塔をくぐり抜け、ススキを掻き分けて進んだ先には三角点のあるピーク。

そこからは日本百名山に名を連ねる両神山が拝めます。
ノコギリのような山容が特徴的なとても信仰深いお山です。

ピークを後にしてテープの目印を頼りに歩みを進めます。

次の見どころである亀岩展望台に出ました。
なるほど、言われてみれば亀に見えなくもないですね。

正面には武甲山が鎮座しています。
秩父のシンボルである武甲山も登山初心者が挑戦しやすい山です。

ここから釜ノ沢五峰に行くには一旦麓まで降りる必要があります。

小さな集落へとたどり着いたら、再び登山道に入ります。
ここから一ノ峰までは先ほど下った分、急登が待ち受けていました。

”一ノ峰”

岩壁を登り切ると一の峰の標識が現れます。
明らかに奥のピークの方が高いので、そちらが一ノ峰だと思われます。

ピークは少し広くなっているので、ここでお昼休憩をとりました。
山で食べるカップ麺はいつでも美味しいです。

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一息ついたので再び先を目指します。
ここから先は標高を上げながら5〜15分毎に五峰のピークを超えていく感じになります。

続いて現れたのが三、いや二ノ峰です。
現地ではかなり焦りましたが、標識が『一、三 、三』の順になっているだけでした。

ここからの景色も素晴らしく秩父の山並みを一望できます。

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とは言っても奥武蔵の山域は地味で山頂同定が難しい…。

二ノ峰は鎖場になっており鎖を使いながら岩壁を降ります。
苦手な方は少し引き返すと巻道があるので安心してください。

三ノ峰を超えてからは樹林帯の尾根歩きが続き、意外と呆気なく四、五ノ峰に到着します。
ここからはぐるーっと山を周回しながら下山です。

”モミの巨木”

周回ルートは小さなアップダウンを繰り返しながらいくつかのピークを超えていきます。
モミの巨木など、各所に見所があるのでお見逃しなく。

最後の鉄塔を超えてもスリリングなコースが続き気を抜けません。

兎岩は思っていたより足場のグリップが効くので安心して降りられました。

兎岩を超えた後は一気に標高を下げ、車道に出たらそこから法性寺駐車場またはバス停まで舗装路歩きです。

動画はこちらから

今回の山行を友人がまとめてくれていますのでそちらも是非ご覧ください!

小鹿野アルプス登山のまとめ

以上、小鹿野アルプスを登った内容についてのまとめでした。

公共交通機関でのアクセスは良くありませんが、麓の法性寺や変化に富んだ登山が楽しめるので十分に行く価値がのある山です。鎖場や岩場が各所にあり山慣れてきた初心者の方がステップアップで挑戦するのにも適した山だと思いますのでぜひチャレンジしてみてください。

以下の記事では同じ小鹿野エリアにある「四阿屋山」について紹介しています。こちらも鎖場や季節の花が楽しめる変化に富んだ山なのでぜひご覧ください。

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この記事を書いた人

1994年生まれ。
埼玉県秩父市在住。
自然溢れる秩父で趣味の「釣り」「キャンプ」「登山」など一年中アウトドアを楽しんでおります。
秩父周辺で楽しめるアウトドアの紹介や、お気に入りのギアレビューなどをお送りするコンテンツになっております。
皆様のアウトドアライフの参考になれるような記事作成を目指していきます。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • コメント恐れ入ります。
    こちらの記事も参考にして先日いきました(私は登山中級者です)、ありがとうございました。

    一点気になったのですが、
    「初心者でも登れた」を殊更にマーカーも使って目立って強調するのは、道迷いや滑落リスクの高いこのルートに関してはやめた方がよいのではないでしょうか。

    以下の記述もあるものの、初心者の中にはスルーしてしまう方も多いかと。
    > とはいえ、最低限の装備やGPSアプリ、事前に登山ルートをよく確認しておくなどの準備があれば初心者でも問題なく登れる

    記事を飛ばし読みだけして行ってしまった初心者がでないよう、どうぞご検討ください。

    • コメントありがとうございます。
      また、記事の閲覧と貴重なご意見心より感謝申し上げます。

      ご指摘の通り、小鹿野アルプスはマイナーなルートも含み、道が不明瞭な箇所がありました。
      初心者に対して登れることが強調され、道迷いや滑落のリスクに対しての配慮が不足しておりました。
      読者が記事を読み飛ばしてしまうことも十分に考慮し、早急に記事のリライトをさせていただきます。

      私自身登山、ブログ共にまだまだ初級者です。
      頂いたご意見を参考に、安全を考慮し読者の方が満足して頂ける記事作成を心がけていきます。
      その他にもご意見等ありましたらよろしくお願いします。

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