2023年1月15日、埼玉県秩父市と小鹿野町の境にある「両神山」に挑戦しました。
奥秩父エリア北部にそびえる秩父の名峰で、日本百名山にも選定されています。
登山ルートは多岐に渡りますが、今回は初心者でも挑戦しやすいとされる「日向大谷登山ルート」を歩いてきました。
- 登山初心者が実際に登ってみた感想
- オススメ登山ルートの詳細
- マイカー・公共交通機関のアクセス方法
両神山ってどんなところ?
両神山とは
両神山の標高は1723.5m。
古くから山岳信仰の霊峰であり、両神山、三峰山、武甲山とあわせて「秩父三山」と呼ばれています。
山名の由来は両神神社奥社がイザナミ、イザナギの2つの神を祀っていることから両神と呼ぶ説。
日本武尊が八日間見続けたことから「八日見山」と呼ばれるようになり、それが訛って「りょうかみ」になったなど諸説あります。
鎖場など登山の醍醐味や、毎年5月頃にはアカヤシオやミツバツツジが楽しめる山として、多くの登山客が足を運んでいます。
初心者が両神山に登ってみた結論
両神山は登山初心者でも登ることができました!
日向大谷コースは「最もポピュラーで初心者向け」と紹介されています。
しかし、コースタイムが長く、山頂付近の鎖場続きは決して初心者に易しいとは感じませんでした。
僕が登った時は雨の中の山行であったため余計に体力と時間を消費し、下山はヘッドライトを使わなければいけない時間になってしまいました。
体力と脚力が必要になってくるので、ある程度山に登り慣れてから万全の準備をし、余裕を持った登山計画で臨んでください。
両神山登山詳細
登山ルート
両神山荘のある日向大谷口から清滝小屋経由で山頂を目指します。
登頂後は同じルートを戻る「ピストンコース」です。
日向大谷口8:59→会所9:37→清滝小屋11:34→両神神社12:57→両神山13:25→両神神社14:16→清滝小屋14:47→日向大谷登山口16:52
タイム:7時間54分/距離:8.2km
実際に歩いた登山ルートに関してはYAMAPの活動記録も載せておきますので是非ご活用ください。
両神山 / takuさんの両神山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
アクセス方法
【アクセス】
関越自動車道花園ICから約1時間です。
両神山手前は道幅が車1台分しかないのですれ違いに注意してください。
【駐車場】
日向大谷口の駐車場が利用できます。
全部で5ヶ所ありますが、登山口に近い両神山荘手前の2箇所は有料(500〜1000円)です。
各駐車場の標識に従って利用しましょう。
日向大谷登山口へアクセスするには、「西武秩父線・西武秩父駅」または「秩父鉄道・三峰口駅」から小鹿野町営バスに乗り継ぎをしなければなりません。
利用できる小鹿野町営バスの路線は下記の2本です。
A.西武秩父線【西武秩父駅⇆薬師の湯】
B.日向大谷・三峰口線【三峰口駅⇆日向大谷】
西武秩父駅からはAで薬師の湯まで行き、Bに乗り継ぎます。
三峰口駅からはBで日向大谷まで乗り継ぎせずにいけます。
料金は一律500円ですが、交通系ICが利用できないので現金を用意しましょう。
西武秩父駅線 | 日向大谷•三峰口線 |
---|---|
西武秩父駅(8:20) | 三峰口駅(8:55) |
薬師の湯(9:09) 右記に乗り継ぎ | 薬師の湯(9:13) |
ー | 日向大谷口(9:40) |
西武秩父駅線 | 日向大谷•三峰口線 |
---|---|
ー | 日向大谷口(17:20) |
薬師の湯(18:15) | 薬師の湯(17:55) 西武秩父駅は左記に乗り継ぎ |
西武秩父駅(19:04) | 三峰口駅(18:13) |
バスでアクセスする場合、登山口に到着するのは10時頃です。
終バスが17時20分なので7時間ほどでバス停に戻らなければなりません。
僕は8時間かかったので、初心者の方は車でアクセスするか両神山荘を利用した方が安心です。
両神山登山開始
日向大谷口から登山スタート!登山口から山頂までは5.6kmの道のりです。
生憎の曇り空のせいか、駐車場には1台しか停まっていませんでした。
第一駐車場向かいの階段から登ると両神山荘前にショートカットできます。
有料駐車場に停めた場合は山荘正面にある料金箱にて支払いを済ませましょう。
登山口からしばらくはアップダウンの少ない道を進みます。
整備されていて歩きやすいですが、左側が切れ落ちている場所もあるので落ちないように。
最初の渡渉場所、冬場は水量が少なくなりますが増水時は渡れなくなるので注意して下さい。
しばらく歩くと一つ目の鎖場、山頂まで何度か鎖を越えますがここは使わなくてもいけました。
七滝沢コースは台風19号の影響により現在通行止めです。
そもそも滑落事故が多発している難路なので初心者は控えておきましょう。
分岐を過ぎてすぐ「会所」に到着しました。
ここを越えると段々と険しくなりますので一息着いていきましょう。
会所を超えると薄川沿いを歩くことになります。
ここは岩魚の生息域なので、そーっと覗くと悠々と泳ぐ岩魚を見ることができますよ。
木橋が架けられているので安心して渡渉できます。
しかし、これより先にある渡渉は橋がないのでできれば防水機能のある登山靴で臨みましょう。
徐々に勾配がキツくなり、険しさも増していきます。
最初の急坂である「八海山」は距離もあってしんどいので、無理せず休みながら登りましょう。
なんとか超えられましたが一気に体力を持っていかれました…。
「弘法之井戸」と呼ばれる水場に到着しました。
そのまま飲んでみましたが、美味しくて後でお腹が痛くなることもなかったです。
霧が段々と濃くなり、辺りを静寂が包んでいきます。
岩や木の根が濡れるととても滑りやすくなるので注意が必要です。
清滝小屋到着
清滝小屋に到着です、登山開始から2時間20分かかりました。
小屋の周りにはトイレやベンチも設置されています。
冬季は写真の水洗トイレは使うことができませんので注意してください。
一息ついたら先を目指しましょう、小屋の裏が「鈴が坂」と呼ばれるつづら折りの急登です。
斜度的にもこの辺りが1番キツく感じるポイントです。
霧はどんどん濃くなり、遠くはほとんど見えませんでした。
至る所にある倒木から自然の荒々しさを感じます。
鈴が坂を超えて尾根に出てからは鎖場が連続します。
難易度はそこまで高くないので鎖を補助的に使いながら慎重に登れば大丈夫です。
階段が組まれている場所もありました、焦らず1人ずつ登りましょう。
「横岩」と呼ばれる巨岩の横を通ります。
ここで横岩に生えた苔にフォーカスしてみると、霧でできた水滴が付いてとてもきれいでした。
この時期は花を楽しむことができませんが、目を凝らすと面白いものがたくさんありますね。
木の根が張り出ているので、足元に気を配りながら先を目指します。
両神神社到着
両神神社に着きました、ここまでの所要時間は約3時間。
狛犬、ではなく狛オオカミが出迎えてくれます。
お賽銭を済ませ、この先の無事を祈ります。
神社より先は尾根歩きが続きますが、アップダウンはそこまでないので比較的歩きやすいです。
しかし、ここまでの疲れも溜まってきているので油断しないように。
山頂直下の鎖場です、あと少し!
両神山登頂
両神山登頂です!ここまでは約3時間40分でした。
山頂は狭いですが、百名山標識や方位盤などがあります。
両神山は山頂からの眺望が魅力ですが、この日は残念ながら視界ゼロ。
とはいえここまで苦労した登ったので気持ちは晴々です!
写真を撮って下山開始!ピストンコースなので登ってきた道を降ります。
鎖場は下りの方が危険なので慎重に。
下山中に雨脚が強まり足場が緩くなってかなり滑りました。
場所によっては積雪や凍結があるので、このような事態に備えてチェーンスパイクがあると安心です。
何とか下山しましたー!車に戻った時は真っ暗でした。
まとめ
以上、両神山を登ったまとめでした。
鎖場や岩場があるものの、難易度はそこまで高くないのでステップアップにちょうどいいと思います。
しかし、日帰り登山で行ける山としてはコースタイムが長く、体力や脚力が必要です。
初心者の方が挑戦するときは、両神山荘に前泊するなど余裕を持った計画で臨んでください。
他の秩父三山に登った記事もまとめていますのでそちらも是非ご一読ください。
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