2023年8月10日、奥多摩山域の「御岳山」に登ってきました。
御岳山の夏の風物詩といえば、森の妖精とも呼ばれるレンゲショウマ。御岳山は関東一の群生地で、8月から9月上旬まで花を愛でる山歩きが楽しめます。
今回のルートは御岳山から「大岳山」へ縦走する定番コース。奥多摩三山の一つである大岳山は、山頂から富士山をはじめとした関東近郊の山々を一望できる眺望のいい山です。
御岳山だけではコースタイム的に物足りないと感じる方は大岳山に縦走するコースがオススメです。
それでは御岳山、大岳山、そしてレンゲショウマを楽しむ夏の登山をお届けします。
御岳山・大岳山を登ってみた結論
御岳山から大岳山への縦走は「距離11km・CT6時間」とちょうどいい山行になりました。
御岳山は御岳登山鉄道のケーブルカーを使うことで観光地感覚で登ることができます。
一方、大岳山は岩場や鎖場が点在しており本格的な登山道となっています。トレッキングシューズやウェアなど最低限の装備を整えてから登りましょう。
夏は御岳山のレンゲショウマ、秋には紅葉と季節の見どころも満載です。
お土産に地元の名酒『澤乃井』を買って家で楽しむなんてのもまた一興ですね。
御岳山へのアクセス
車でアクセスする場合、麓のケーブルカーに隣接した「滝本駅駐車場」が利用できます。
◆滝本駅駐車場
住所:東京都青梅市御岳2-483
駐車台数:136台
料金:350円/時間(上限1,500円/日)
営業時間:7:10~19:00
※カーナビ設定は「御岳登山鉄道 滝本駅」と入力。
事前精算機はなく、1万円・5千円札が使えないので千円札と小銭を用意しておきましょう。
シーズンによってはすぐに満車になってしまう場合もあるそうです。その場合は徒歩10分圏内に3ヶ所(計128台)駐車場があるのでそちらが利用できます。
最寄駅はJR御嶽駅です。そこからバスまたは徒歩でケーブルカーのある滝本駅を目指します。
徒歩3分
10分(徒歩約45分)
徒歩6分
往復運賃:680円/所要時間:約20分
アクセス方法については御岳登山鉄道公式ホームページでもご確認いただけます。
御岳山-大岳山登山の詳細
御岳山ー大岳山登山ルートを紹介
御岳山から大岳山を目指す主要ルートは3種類。
①奥の院・鍋割山経由
②七代の滝・ロックガーデン経由
③初心者向けトラバースルート
奥の院や鍋割山、ロックガーデン、七代の滝などバリエーションに富んだ登山道です。全体的に整備されていて歩きやすいのですが、ルートによっては距離が長くアップダウンも多くなります。
体力に余裕があれば、奥の院やロックガーデン経由がオススメですが、トラバースルートはアップダウンが少なく歩きやすいので初心者に最もオススメです。
体力や時間と相談して決めよう!
- 御岳駅(御岳山ケーブルカー) 8:36
↓ - 御岳山 8:58
↓ - 奥の院峰 9:47
↓ - 鍋割山 10:04
↓ - 大岳山荘 10:51
↓ - 大岳山 11:09
↓ - 芥場峠 12:00
↓ - 天狗岩 12:43
↓ - 七代の滝 13:03
↓ - 御岳山(レンゲショウマ群生地) 13:21
↓ - 御岳駅 14:36
タイム:5時間59分(休憩45分)/距離:11.0km
今回は奥の院、鍋割山を経由して大岳山へ登り、ロックガーデン、七代の滝を経由して下山するルートを選択しました。各ルートの分岐や見どころは詳しく後述します。
御岳山・奥の院峰・鍋割山・大岳山 / taku(詳細はプロフURLからブログへ)さんの大岳山・鍋割山(東京都)・御岳山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
YAMAPの活動記録も載せておきますので是非ご活用ください!
ケーブルカーで「御岳山」を目指す
JR滝本駅から登山スタート!今回はケーブルカーを利用して一気に御岳山中腹へと移動します。
この日は平日でしたが出発時間10分前にはこの行列。ハイシーズンは時間に余裕を持って駅に到着しておいた方がよさそうです。
券売機で往復用の切符を購入。交通系ICでも乗れますが、往復切符は70円お得に乗れます。
切符は帰りも使うので無くさないように!
ケーブルカーは立ち席まで含めると100名以上乗れるそうです。
座席は34席なので今回は50人弱ぐらい乗ってました。乗車時間は約6分です。
初ケーブルカーは残念ながら座れず…。
午前8時26分、ケーブルカーを降りると派手な門に歓迎されます。
駅にはトイレもあるので身支度を整え、入念にストレッチをしてから御岳山を目指します。
30歳手前なので、昔のように準備運動なしで運動は怖くなってしまった…。登山後の疲れも取れにくくなってきた気がする。
御嶽神社までは基本的に舗装路歩きになります。
さすが日本一の群生地だけあって、各所にレンゲショウマの登りが立っていました。今回のルートでは帰りにゆっくりと見る予定です。
宿坊の並ぶ門前町、商店街を抜けると御嶽神社の随身門が現れます。
随身門から御嶽神社までは長い石の階段があります。
実はここには3体の鬼が閉じ込められているので、探しながら登るといい気分転換になりますよ。
階段を超えると現れる豪華絢爛な社殿が御嶽神社です。お賽銭を投げ入れ、今日の安全を祈ります。
ちなみにケーブルカーからここまでは約20分でした。本格的な登山とはいきませんが、観光ついでに趣ある参道歩きが楽しめるのも御岳山の魅力ですね。
奥多摩のランドマーク「大岳山」へ
午前9時10分、御嶽神社の参拝も済ませたので大岳山へと向かいましょう。大岳山への分岐は、階段を少し引き返したところにあります。
少し歩くと長尾平の分岐に到着。
左は「七代の滝経由でロックガーデン」。
右は「ロックガーデン」「奥の宮・鍋割山」「トラバースコース」へ向かうルートです。
今回は一番起伏に富んだ奥の院・鍋割山経由で登っていくので分岐を右へ。杉並木の歩きやすい山道を歩きながら、緩やかに高度を下げていきます。
しばらくすると天狗の腰掛け杉と分岐が現れます。左は尾根道やピークを避けて登れる初心者向けのトラバースコース。今回は右の鳥居をくぐり奥の院・鍋割山方面へと向かいます。
薄暗い時間に来たら本当に天狗がいそう…。
先ほどまでの登山道とは一変し、木の根が張り出して歩きにくいです。人もあまりいないので、奥深く静寂な空気が辺りを包んでいます。
危険な場所には鎖も設置されています。特に使わなくても大丈夫そうだけど、積雪とかがあるとそうもいかないのかな…。
奥の院に到着。眺望は良くない場所ですが、信仰を感じられる雰囲気や静けさが相まって一人登山にはちょうどいい感じです。
ソロならではの、思考が深まっていく感じ。
奥の院峰の祠の裏手から鍋割山方面へ向かいます。序盤は急峻な岩場を下っていきますので慎重に進んでください。
しばらく進むと鍋割山との分岐。右に進むと鍋割山ですが、山頂からの眺望はなく特に見どころもないので巻道を使ってもいいかもしれません。
鍋割山を超えたら歩きやすい登山道が続きます。場所によっては多少アップダウンがありますが、特に問題なく歩けます。
木漏れ日が気持ちいい…。
トラバースルートと合流しました。やはりこちらの道の方が整備されていて歩きやすいですね。
奥の院ルートは静かな山歩きが楽しみたい方にはオススメですが、単純に大岳山に登りたい方はロックガーデンやトラバースルートでもいいかもしれませんね。
トタン屋根の小屋を越えると、岩場へと差し掛かります。
御岳山から登る場合は大岳山の核心部ですが、特に難易度が高いわけではないので、普段山登りをされる方であれば問題ないです。
鎖も設置されていますが慎重に行けば問題ないレベル。ただし濡れていると滑りやすいので気をつけて下さい。
歩っていて感じたのですが、落木や倒木が結構ありました。足元だけでなく、頭上にも注意しましょう。
何度か近くに降ってきてヒヤッとした。
午前10時50分、大岳山荘へ到着しました。
山荘前は広場になっているので休憩にも最適です。
山荘自体は2008年に閉鎖されています。ただし水場や無人販売が設置されていることもあるそうです。
大岳山荘から山頂を目指します。ここから山頂までは20分ほどです。
山頂手前にも岩場が点在していますがこちらも難易度は低め。ただし斜度があるので慎重に登っていきましょう。
山頂まであと30m!
この案内絶対いらないでしょ。
大岳山登頂!ロックガーデン経由で下山
11時11分、大岳山登頂しました!体力的にはまだ余裕です。
奥多摩でも人気の山なので山頂は平日でも賑わっています。少し広くなっているので休憩にも最適です。
山頂からは今日一番の眺望!雲がなければ富士山まで見えるのですが、今回は残念ながら見えず。
手前に見えているのが「三頭山」、奥に見えているのが「御前山」です。
大岳山とともに奥多摩三山に数えられている奥多摩を代表する山々です。
景色も楽しんだので下山します。分岐は全て岩石園(ロックガーデン)を目指して進みましょう。
復路はトラバースコースを利用します。階段や橋など整備されており歩きやすいです。
下山でロックガーデンを利用する場合、最初の見どころは「綾広の滝」
幽玄な雰囲気に包まれた落差10mの滝で、御岳山の宿坊では滝行プランも用意されているそうです。
滝行、一度はやってみたい気がする…。
ロックガーデンは苔むした岩の間を流れる清流を楽しむことができます。ケーブルカーから近いこともあり御岳山エリアでも人気のスポットです。
遠目で景色を楽しんだ後は、少しだけ足を止め近づいて観察してみて下さい。普段は気にも留めないような緑の塊が、近づいて見ると想像以上の美しさやユニークな造形に驚かされます。
続いて現れたのが「天狗岩」という岩場。木の根をつたって登ることができますが、高所感があるので高いところが苦手な方は注意して下さい。
登ると2体の天狗像がお迎えしてくれます。ただし、僕が登ったときは蜂の巣があって天狗像の周りをブンブン飛んでいました。
あまりに危険だったので写真もろくに撮れずに即時撤退!
天狗岩から急坂を降りて「七代の滝」に向かいます。
七代の滝までの下りはかなり急峻なので注意して下さい。
大小8段の滝が連なっており、見られるのは4段目。それなりに見応えはありますが、この後の登り返しを考えるとわざわざ立ち寄らなくてもいいかなって感じです。
この登り返しがかなりキツイ!下りたことを後悔するほどの急登でした。
ここを登り切れば長尾平の分岐にでます。
森の妖精「レンゲショウマ」
御岳山の商店街へ戻ってきました。商店街では食事もできるようで、中はハイカーや観光客で賑わっていました。
宿坊エリアを抜け、ビジターセンターを越えるとレンゲショウマ群生地への案内が。
レンゲショウマ周辺は鹿などの獣害を受けないようにネットでバリケードが張られています。こういった活動をしてもらっているおかげで数少ないレンゲショウマが守られているのですね。立ち入る場合は必ず元に戻しておきましょう。
レンゲショウマの群生地へ行く道中には御嶽神社の摂社である産安社があります。本殿の周りには特徴的な御神木が並んでおり、それぞれ違った特徴やご利益があるそうですよ。
いよいよ「レンゲショウマ」の群生地。通路の整備された日陰の斜面で、ひっそりとその花を揺らしていました。
今回はピークには少し早く、また前日の雨で花が落ちてしまったそうで開花している花は少なめでした。
場所によっては綺麗に咲いているものもちらほら。緑の中に浮かぶ薄紫色がとても映えます。
まるで妖精が浮かんでいるような姿から森の妖精と呼ばれるのも納得。
帰りもケーブルカーで麓まで降ります。往復切符で来た人は忘れず出しておきましょう。
まとめ
以上、御岳山について紹介しました。
御岳山中腹まではケーブルカーでお手軽にアクセスできるので、初心者でも安心して登ることができます。時間や体力に余裕があれば、奥多摩三山の大岳山にもぜひ足を運んでみて下さい。
レンゲショウマは今回初めて見ましたが、とても可愛らしい花で見応えがありました。夏に御岳山へ訪れる際は群生地でレンゲショウマを愛でることをオススメします。
奥多摩といえば、地元の銘酒「澤乃井」も有名。登山後はお土産に日本酒を買って、家に帰ってからお酒を楽しむなんてのも一興ですね。
以下の記事では奥多摩最高峰の「雲取山」に登った内容をまとめています。興味のある方はそちらも併せて読んでいただければ幸いです。
その他にも、初心者〜中級者が登れる山を探したい!という方に、こちらの本がおすすめです。
関東周辺の山が厳選されているので、次に登る山探しがとても楽になります。
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