2025年4月29日、奥武蔵山域の関八州見晴台を歩ってきました。
関八州見晴台(かんはっしゅうみはらしだい)ってどんな山…?
関八州見晴台は埼玉県飯能市と越生町の境に位置する標高771mの山。かつて武蔵・相模・安房・上総・下総・常陸・上野・下野の「関東八州」を一望できたことが由来だそうです。
西武池袋線・秩父線からバス等を使わずに登れる好アクセスで、都内からも多くのハイカーが訪れます。
名前の通り眺望抜群な山ですが、最も人気なのはヤマツツジ咲く春と紅葉の時期。

特に山頂付近を染め上げる真っ赤なツツジは圧巻の一言で、終盤を迎える奥武蔵の春登山では外せない一座です。
関八州見晴台の登山難易度は?
ルート:西吾野駅▶︎不動三滝▶︎高山不動尊▶︎関八州見晴台▶︎顔振峠▶︎吾野駅
所要時間:7時間39分
歩行距離:14.3km
▶︎ 所要時間、歩行距離ともにやや長め。多少の地図読みスキルが必要なので「初級者以上向け」です。



奥武蔵の道ってコースの自由度が大きい分、間違えるととんでもない方向に進んじゃうことが…。地図や登山アプリは必ず準備しておきましょう。
体力度 | 難易度 | オススメ度 |
---|---|---|
- 山頂は関東平野を見渡せる絶景
- 登山道を朱く染めるヤマツツジの群生
魅力① 山頂は関東平野を見渡せる絶景


眺望に恵まれない山も多い奥武蔵山域ですが、関八州見晴台はその名に恥じぬ大展望が期待できます。



「見晴台」なんて名前が付いてるからハードル高めだけど、天気さえ良ければ期待を裏切らない眺めが待ってます。
魅力② 登山道を彩るヤマツツジの群生


山頂直下の登山道は真っ赤なツツジの群生が楽しめる人気の区間。満開のツツジが辺りを埋め尽くして「ツツジロード」が出来上がります。



例年4月下旬〜5月上旬に見頃を迎えますが、年によって前後することがあるので事前に調べてから登ることをオススメします。
関八州見晴台のアクセス、駐車場


西吾野駅周辺には駐車場がありません。
ゴール地点の「吾野駅」に停めるのが無難ですが、収容台数が少ないので早朝から満車になることも。時間的に厳しい場合は東飯能駅、正丸駅、芦ヶ久保駅などの駐車場に停めて電車でアクセスするのがオススメです。
デイパーク吾野駅前第一 | |
---|---|
住所 | 〒357-0213 埼玉県飯能市坂石町分332-3 |
収容台数 | 普通車 10台 |
営業時間 | 24時間 |
料金 | 700円/日(自動精算機による前払い制) |
西武秩父線西吾野駅下車です。トイレや自販機はありますが、売店やコンビニなどはないので事前に用意する必要があります。
関八州見晴台の登山ルート
関八州見晴台の主要登山ルート
関八州見晴台の主要コース | CT | 距離 |
---|---|---|
西吾野駅発着 関八州見晴台往復 | 3:57 | 8.2km |
西吾野駅〜関八州見晴台〜吾野駅縦走 | 4:22 | 10.2km |
西吾野駅〜関八州見晴台〜顔振峠〜吾野駅 | 7:39 | 14.3km |
関八州見晴台は、西吾野駅を起点にピストンか吾野駅に縦走するコースが最もポピュラーです。
今回紹介するのは周辺の歴史的な見所スポットを詰め込んだ歩きごたえのあるコースになります。
- 関東三大不動に数えられる高山不動尊
- 不動滝・白滝・大滝から成る不動三滝
- 源義経や弁慶があまりの展望の良さに顔を振り振り登ったとされる顔振峠



ただし、高山三滝や顔振峠を歩くとコースタイムが結構伸びるので、YAMAPのモデルコースを参考に自分の体力やスケジュールと相談して余裕をもった計画で臨んでください。
YAMAPの活動記録はこちら
ツツジ咲き乱れる関八州見晴台〜顔振峠でそばとビールを頂く🍺 / taku(詳細はプロフURLからブログへ)さんの丸山(埼玉県飯能市)・関八州見晴台の活動データ | YAMAP / ヤマップ



YAMAPの活動記録も載せておきますので気軽にフォロー、コメントお願いします!
関八州見晴台の登山詳細
西吾野駅〜不動三滝


おはようございます、taku です。今回は奥武蔵の春登山で人気の「関八州見晴台」へ登りにきました。
時刻は午前8時30分、山頂付近のツツジが見頃ということもあり西吾野駅は登山客で大賑わいです。


今回も月1高尾山ハイカーY氏が同行。高尾山に登りたそうなところを半ば強制的に連れて参りました。






吾野地区は国道299号沿いに集落が形成された山間地区。とりわけ観光スポットはありませんが、このあたりの山を登るハイカーの玄関口となる場所です。



道端には花がたくさん咲いていたり、川のせせらぎが聞こえてきたり。登山開始からしばらく舗装路歩きですが自然豊かで気持ちがいい道が続きます。






頭上を通過する謎の建造物。武甲山から採掘した石灰石をベルトコンベアで日高市の工場まで運んでいるそう。ベルコンを超えるといよいよ登山口へ。今回は不動三滝を経て高山不動尊を目指します。
大滝・不動滝・白滝を巡る


登山口から約20分で一つ目の滝「大滝」へ到着。不動三滝の中では最も水量が豊富で、近くで見ると思ったより迫力があります。


大滝を超えると少しきつい登り。距離は短いのでゆっくり登れば大丈夫です。




急登を超えると集落のような場所へ。山の斜面には畑が広がり、一本だけ真っ赤に染まった紅葉が目を惹きます。眺望も一部開けていて、奥武蔵のランドマーク「武甲山」がひょっこり顔を出していました。




集落を抜けるとすぐに不動滝へ向かう分岐へ。ここから不動滝までは約15分、滝から分岐まではピストンです。




滝までの道は狭くて滑りやすい場所があるので注意してください。


肝心の不動滝は水がちょろちょろと流れているだけで「滝」というには少し寂しい感じ…。それでも高山不動尊の修行場の一つということもあり厳かな雰囲気が漂う場所です。


滝を近くから見上げるように撮ると岩肌や苔の雰囲気が伝わっていい感じでした。



ただ分岐から滝まで往復する間にほとんど人に会わなかったのでみんなスルーしているのかも。


不動滝から戻ってしばらく進むと高山不動尊と白滝の分岐へ。白滝もピストンですがこちらは往復10分ほどです。


こちらも水量少なめですが、2段になった岩肌を滑るように流れる滝が見られます。



不動三滝を歩ってみた結論、
「一回見れば十分、スルーしてもヨシ!」
高山不動〜奥武蔵グリーンライン






白滝から20分ほどで高山不動尊へ。正式名称は「高貴山常楽院」と言うそうです。西暦654年の開山と言われている古刹で、千葉の成田不動、東京の高幡不動と並ぶ関東三大不動の一つです。


ここまで眺望や花はあまりなかったのですが、境内には少しですがツツジ咲いていました。



この辺りのツツジが開花していれば山頂付近も期待して良さそう!


高山不動尊を超えると舗装された尾根筋の林道へ。奥武蔵山地を縦走する道で「奥武蔵グリーンライン」の愛称でサイクリストやハイカーに人気の区間です。


奥武蔵グリーンラインを目指した理由がこちらの「苔アート」です。






鹿やムササビなどはいずれも壁に生えた苔を削って描かれており、とても見応えのある作品に仕上がっています。2024年の終わり頃に突如出現したようですが、右端に「K」というサインがあるだけで誰が描いたものかわからないそうです。



「場所がわからずスルーしてしまった」という方がちらほらいたので地図も埋め込んでおきます。


苔アートを超えたらすぐ関八州見晴台入口です。



ここまで来ればもう一息、圧巻のツツジロードの始まりです!
関八州見晴台〜顔振峠


関八州見晴台入口からすぐ、ツツジの大群落がお出迎え。登山道を埋め尽くすように咲くツツジが見られます。




木によっては蕾が混じっているものの、全体的にはまさに見頃といった咲きっぷり。






場所によってはトンネルのようにもなっていたりして。花愛でハイカーには堪らないひとときでした。


ツツジロードも終盤、段々と視界も開けてきて山頂は目と鼻の先です。


12時34分、関八州見晴台登頂!ここまでの所要時間は約4時間でした。
全体的に歩きやすいコースでしたが、不動三滝を歩くとコースタイムが1時間ほど変わります。






山頂には狭いですが東屋も。地べたなら座れるスペースは十分あるので休憩場所には困らなそうです。
そのほかにも山頂標識や越生10名山の標識もあったり。ちなみにこの後の顔振峠も越生10名山に選出されているので、今回のルートでは2座ハントすることができます。


名前に恥じぬ、大展望。
低山でありながらこれだけの眺望が得られれば誰も文句はつけないでしょう。


空気が澄んでいればひょっこり顔を出した富士山も拝めます。






山頂を超えた後は小さな起伏を繰り返しながら「顔振峠」を目指します。
ご察しの通り眺望は皆無。奥武蔵らしい杉林を黙々と進んでいきます。


この辺りは登山道と車道、どちらへ進んでも構いません。
でもせっかく登山に来ているのだから、僕は「登山道」をオススメします。人生はいつだって遠回り、辛く険しい道を歩ってこそ真の喜びを得られるというものです。


Y氏:車道サイコー⤴︎⤴︎
顔振峠〜吾野駅






顔振峠まできて勝ちを確信した僕らは「平九郎茶屋」で下山前祝い。キンキンに冷えたビールと各々注文したそば、うどんで乾いた喉を潤します。


平九郎茶屋とは、幕末の志士、渋沢平九郎がこの地を敗走する際に立ち寄ったという言い伝えにちなんで名付けられたそう。ちなみに女主人の加藤ツチ子氏は敗走中の渋沢平九郎にお茶を振舞った女性の孫にあたるようです。


顔振「峠」ですが、関八州見晴台と同じく越生10名山に数えられています。


実は顔振峠にくるのは2回目。その時は「ユガテ」へ向かう道すがら立ち寄った感じですが、相変わらず奥武蔵の波打つ山々が美しい抜群の眺望です。




顔振峠を超えたら後は吾野駅まで降りるだけです。
まとめ


今回は奥武蔵屈指の眺望を誇る「関八州見晴台」をご紹介しました。
ツツジはもちろん、秋の紅葉や高山不動尊の大銀杏も人気があります。これから秋にかけて登山しやすい気候となるので、ぜひ美しい紅葉と抜群の景色を楽しんでみてください。
\今回使用した山道具はこちら/
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