2025年4月7日、前回の笠取山から約半年ぶりということもあり、山頂まで比較的楽に登れる日和田山を歩ってきました。
日和田山(ひわださん)ってどんな山…?
埼玉県日高市にある標高305mの山で、日高市のシンボルとして親しまれています。また、岩場のある男坂と緩やかな傾斜の女坂など、経験者から入門者まで楽しむことができる懐の広いお山です。低山ながら眺望もよく、関東平野を見渡せるほか、天気の良い日には東京のビル群やスカイツリーまで見ることができます。
今回のメインは巾着田と鎌北湖、ユガテの桜。日和田山の後がとても長くなるためやや健脚向けとなりますが、花を追いかけるハイカーには非常に満足度の高いコースになります。

見どころスポットをできるだけ歩ってみたので、季節や体力に合わせたコースをチョイスしてみてください!
日和田山の登山難易度は?
ルート:高麗駅▶︎巾着田▶︎日和田山▶︎鎌北湖▶︎ユガテ▶︎東吾野駅
所要時間:7時間10分
歩行距離:15.0km
▶︎ 登山難易度としては低め、ただし最低限の体力や地図読み技術が必要です。



お花見スポットを巡るとどうしても距離が長くなってしまいます。後述するルートの中から時間や体力に合わせてチョイスしてみて下さい!
体力度 | 難易度 | オススメ度 |
---|---|---|
- 巾着田で季節の花が楽しめる
- 低山ながら抜群の眺望
- 鎌北湖、ユガテなど見どころ満載
- ルートによっては距離が長い
- 山頂付近には岩場あり
魅力① 巾着田で季節の花が楽しめる


日和田山の南東に位置する巾着田(きんちゃくだ)は、上から見た形がきんちゃくの形に似ていることから巾着田と呼ばれています。
春は菜の花や桜、秋はコスモスなど季節の花々が楽しめます。中でも秋の曼珠沙華(まんじゅしゃげ)が人気で、年間60万人の来場者のうち、曼珠沙華の開花期間中だけでおおよそ30万人を占めるそうです。



菜の花と桜のコラボが楽しめる春ですが、意外と人も少なく登山と合わせて楽しむには最もおすすめの季節と言えます。
魅力② 低山ながら抜群の眺望


山頂手前の金刀比羅神社は抜群の眺望スポット。関東平野を一望できるほか、都心の高層ビル群や東京スカイツリーも見ることができます。



巾着田を上から見ることができるので、名前の由来となった「きんちゃく」に見えるか確認してみるのも面白いですよー!
魅力③ 鎌北湖、ユガテなど見どころ満載




日和田山から毛呂山町方面へ歩くと「鎌北湖・ユガテ」など、奥武蔵屈指の花の名所を歩くことができます。その他にも滝や渓流沿いの登山道など見どころが満載です。



ただし日和田山から歩くとまあまあな距離になってしまうのでこちらのコースは初級者以上向け。
注意点① 山頂付近には岩場あり


日和田山登山口から登る場合、男坂と女坂の分岐があります。男坂はゴツゴツした岩場になっており、一部手を使わないと登れないような場所もあるので注意してください。



とはいえ難易度は低めなのでゆっくり登れば初心者の方でも問題なく登れます。それでも心配な方は緩やかな傾斜が続く女坂から登れば大丈夫です!
日和田山のアクセス、駐車場


登山口の手前にある駐車場で、日和田山に登る場合はここが一番近い駐車場になります。登山口に一番近く、すぐ近くにトイレもあります。
無人駐車場なのであらかじめ小銭(300〜500円)を用意しておきましょう。
西武秩父線高麗駅からアクセスできます。駅から登山口までは約15分です。
日和田山の登山ルート
日和田山の主要登山ルート
笠取山の主要コース | タイム | 距離 |
---|---|---|
日和田山登山口発着 | 1:16 | 1.6km |
高麗駅〜武蔵横手駅縦走 | 3:12 | 7.6km |
高麗駅〜東吾野駅縦走 | 4:56 | 9.6km |
今回のコースは高麗駅→巾着田→日和田山→鎌北湖→ユガテ→東吾野駅。コースタイム7:10、総距離が15kmでした。アップダウンは少なく舗装路の区間も多めですが、距離がそこそこあるので初級者以上向けです。
それでも鎌北湖やユガテは四季折々の景色が楽しめるおすすめスポットです。花が見たい!たくさん歩きたい!という方にはオススメのコースになります。
YAMAPの活動記録はこちら
巾着田〜ユガテ、桜を追いかけ低山ハイク🌸 / taku(詳細はプロフURLからブログへ)さんの高指山(埼玉県)・日和田山・物見山(埼玉県入間郡毛呂山町)の活動データ | YAMAP / ヤマップ



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日和田山の登山詳細
高麗駅から桜と菜の花咲く巾着田へ


2025年4月7日6時45分、西武秩父駅。
おはようございます、takuです。本日は約半年ぶりの登山。山頂まですぐに登れそうな日和田山で足を慣らしながら、各所で満開を迎えた桜を追いかける旅に出ます。


奥武蔵エリアは西武線を使えば色々な縦走路を組めるのでマイカー登山派の方にもオススメの山域です。


日和田山を目指す場合、最寄は高麗駅になります。少し歩くとファミマがあるので、ちょっとした買い物やトイレは問題なく済ませられそうです。



”天下大将軍と地下女将軍”がお出迎え。なかなか強烈なオブジェです。




コースのいたるところに将軍が設置されており、巾着田、日和田山までの道案内をしてくれるというわけです。


将軍の案内通りに進むと出てきたのが鹿台堰魚道(ろくだいせきぎょどう)。文字通り魚の通り道になっているので、渓流釣りを嗜む身としてはこういうポイントは大好きです。ついつい魚がいないか覗き込んでしまいます。


ここを渡れば巾着田までの近道のようですが、ブロックの間はまあまあな距離がある、いけるのかこれ…?
戻るのも面倒なので助走をつけてジャンプ!!



ファッ‼︎案の定落ちかけたのでこのルートはお勧めしません。20代の頃ならこれぐらい余裕だったのに…。


どうやらすぐ上流にある橋を渡るのが正規ルートのようです。よーく見ると橋の手前で将軍がほくそ笑んでます。


高麗駅から約15分、巾着田に到着。一面真っ赤に染まった曼珠沙華が有名な場所ですが、この時期は桜や菜の花が見頃を迎えています。なにを隠そう今回のメインは巾着田と鎌北湖、ユガテの桜なので、日和田山に登る前の前哨戦といきましょうか!






めっちゃ咲いてる!!


花を愛でるハイカーとしてはこの時期の桜は外せませんが、如何せん週末の天気が悪かった。桜が満開かつ天気の良い日を狙って、毎日天気予報と開花情報を見続けた甲斐がありました。


桜並木越しに望む日和田山。日和田山とは反対方向になりますが、巾着田を一周してから向かいたいと思います。




曼珠沙華公園、この時期は特に見るものないですが、開花の時期には1年間に訪れる観光客の約半数を占めているそうですよ。


巾着田を半周ほどすると菜の花畑越しに日和田山を見ることができるスポットへ。






一面の、とは言えませんが立派な菜の花、満開の桜のコラボはとても満足度が高いです。



桜も菜の花も見頃でまさに春爛漫、いい感じの構図になる場所を探して歩きまわるのも楽しい!


天気も見事なまでに晴れ、前哨戦は完全勝利と言ってもいい出来でした。


その後は久しぶりに見た鯉のぼりなんかもパシャパシャ撮ったりして、気づけば1時間ぐらい巾着田をうろうろしてました。



巾着田だけでもかなり満足度が高いので、余裕を持った登山計画で臨むと時間を忘れてゆっくりと楽しむことができます。
日高市のシンボル、日和田山へ






巾着田を十分満喫したのでいよいよ日和田山へ向かいます!巾着田からは10分ほど舗装路歩き、登山口手前には日和田山駐車場があるのでマイカーの方は基本的にここからスタートすることになります。



道端には春の花が咲き始め、舗装路歩きも楽しい時期になってきました!


駐車場から程なくして日和田山登山口へ。登山口付近にはトイレや自販機も整備されています。この先はしばらくないので身支度を整えておきましょう。




しばらく進むと男坂と女坂の分岐に出ました。男坂は岩場のあるコース、女坂は緩やかな登りが続く初心者向けのコースです。



この先いくつか分岐があります。下記リンクのハイキングコースマップを参考に、あらかじめどのコースを歩くか決めておくとスムーズです。
▶︎ 日和田山のハイキングコースマップはこちら(日高市公式サイトより引用)


岩場があるとはいえ、難易度はそれほど高くないらしいので今回は男坂へ。


一部手を使わないと登りにくいような場所もあり、低山ながら山を登ってるぞ!と感じられるいいコースです。所々でどちらへ進むか迷うポイントがあり、初心者の方が岩場のルートファインディングに慣れるには最適かもしれません。


岩場を越えた先には絶景がお出迎え。当日は天気も良く、都心のビル群までバッチリでした。


先ほど歩った巾着田も見下ろすことができます。



どれどれ、名前の由来になった「きんちゃく」に見え…なくもない?


日和田山を検索すると先ほどの鳥居がよく出てくるのでここが山頂か?と錯覚してしまいますが、金刀比羅神社を超えたすぐ先が日和田山山頂です。




午前9時28分、日和田山登頂!
高麗駅から約2時間かかりましたが、実際のところ登山口からは40分ほどだったので初心者の方でも安心して登れる山だと感じました。山頂からは日高市が一望できるまずまずの眺望です。


それよりも半年ぶりのまともな運動ということもあって既に膝に鈍い痛みが。念のため忍ばせておいたポールで膝を労わりながら先を目指します。
\ワンポールテントにも使える軽量ポール/
高指山〜物見山、奥武蔵の低山を縦走


午前9時45分、高指山(たかさしやま)登頂!と言っても日和田山からおよそ15分でした。


山というか小高い丘のような場所で、かつてNTTの無線中継所として利用されていた施設があります。ただし現在は使われていないため廃墟と化しており、登山ではなく心霊スポットとして有名らしいです。



後で調べたら実際に首吊り自◯が起きた場所らしい…。




そんなことは露知らず、呑気に次の目的地を目指します。高指山からは少しの間舗装路歩き、意外と景色も良くて奥武蔵の山並みが見渡せますが、この辺りの山は山頂同定が難しく写真は撮り忘れてしまいました。



奥武蔵は渋い山が多い。


途中公衆トイレとふじみやという茶屋風のお店があります。平日は休みのことが多いようですが、アイスや飲み物、カップ麺などの軽食が購入できる休憩所のようです。


ふじみやを過ぎると分岐から登山道へ復帰。



出たな、なんちゃら将軍。名前は…なんだっけ?


分岐に入ってすぐ鉄塔を発見!鉄塔って思わず下から覗きたくなりますよね。



綺麗な幾何学模様は何度見ても飽きない。どこか遠く、それこそ宇宙人と交信できそうだと思ってしまうのは僕だけ?


午前10時11分、物見山に到着。名前に反して眺望は皆無のお山、かつては眺望が得られたのでしょうか。
ここまででもう十分楽しんだよ!これ以上歩くのなんてゴメンだ!という方はここから武蔵横手駅を目指すとコンパクトな縦走路になります。


今回は宿谷の滝を経由して鎌北湖へ行くので分岐を右へ。ここまでちまちま獲得した標高を下げてしまう鬼畜コースへ向かいます。




先ほどまでとは少し景色が変わって、左側が斜面になった尾根道へ。左手には峠道が見えており、一応そっち経由でも宿谷の滝へ降りられます。


ただこちらは渓流沿いのトレイルとなっているので歩っていて気持ちのいい場所です。


杉林にシダ植物が鬱蒼とした奥武蔵らしいトレイルですが、この時期は山桜が彩りを加えてくれます。


宿谷の滝の前にちょっとした見どころスポット、宿谷小滝があります。小さい滝ですが水量があって水の音が耳に心地いい、よく見ると小魚も泳いでいたので通年水は流れているみたいですね。
かつての修験の場、宿谷の滝


宿谷の滝の上にある小さな公園へやってきました。規模は小さいですが立派な桜が植わっています。東家もあるので一息付くにも最適な場所です。ここから少し降りると宿谷の滝がありますが、案内板にあるように鎌北湖へ行く場合は再度ここまで戻らねばなりません。


宿谷の滝は別名「信太の滝」ともいわれ、古くは修験の場でもあったそうです。水量も中々豊富で、今でも滝行体験できるツアーがあるみたいです。


周囲を苔むした岩壁に囲まれ、シダ植物が鬱蒼と生い茂っています。


そして「禁区」と書かれた看板。おそらく渓流釣りでよく見かける禁漁区の看板でしょう。



水深的に岩魚や山女魚がいるようには見えないけど。もしかしたら下流から遡上してくる個体がいるのかもしれません。
山峡に静かに佇む、鎌北湖


午前11時21分、鎌北湖へ到着。満開の桜と青空、の予定がここにきてまさかの曇天。なんなら雨も降ってきて、せっかくここまであるてきたというのに…。


スワンボートの悲壮感も2割マシです。




それでも桜並木のトンネルは見事。いつか絶対にリベンジするぞ!と再訪を誓ったtakuでした。






鎌北湖を越えるとしばらくなにも見所がない区間が続きます。


整備はされているのですが、分岐がいくつかあり間違えると全く違う方へ進んでしまうので地図を見ながら進んでください。
山奥の桃源郷、ユガテ






途中まさかの雨に打たれてしまいましたが、ユガテの辿り着く直前にパーッと晴れ間が。
植物にとっては恵みの雨、雨粒で潤った花びらがイキイキとして美しさを増しています。



ハイキイング?クセ強いなこの看板




午後12時53分、ユガテに到着!高麗駅から歩き始めて約5時間半が経過しました。
ここはベンチやテーブルが整備されているので休憩には最適。雰囲気もとてものどか、花を見ながら休めるのでなかなか乙なものです。


枝垂れ桜のトンネル。まだ7〜8分咲きできたがそれでもとても綺麗でした。






枝垂れ桜の他に花桃なんかも植えられたりして。山奥にひっそりと佇む山上集落、花に囲まれたその景色を「桃源郷」と呼ぶのはまさに言い得て妙でした。
実はユガテにくるのは約2年ぶり。その時は登山始めたてで知識もなく「ユガテってなんぞや!?」てな感じで冬に訪れたので花なんてほとんど咲いていませんでしたけど。



ユガテが最も輝くのは春




ユガテを楽しんだ後は東吾野駅へと降りるだけ。キノコ園、橋本山を歩くコースも魅力的ですが、今回は舗装路多めで歩きたいと思います。






というのもこの時期は舗装路の方が見られる花が多かったり。このルートも桜が咲き乱れていてアタリでした。






お!カワセミ発見!背負っていたレンズが24-105mmなのでちょっと距離が足りませんでした。


おつかれ山、東吾野駅到着です。駅舎と桜がいい感じですね。


入ってきたのが西武秩父線開通55周年記念車両。かっこいいカラーリングで桜といい感じ。






東吾野駅周辺はお店がないので西武秩父まで戻ってから遅めのご飯。消費した分をしっかり補給。そして普段は車なので飲めないビール!悪魔的だ!!
まとめ
今回は日和田山と桜を追いかける旅をご紹介しました。
巾着田、鎌北湖、そしてユガテ。各所で見ごろを迎えた桜はまさに春爛漫。春の花を思う存分満喫したい方にはまさにうってつけのコースではないでしょうか。
全体的な難易度は低めで、距離を歩き切る体力さえあればどなたでも問題なく登れます。日和田山には岩場もあるので初心者から経験者まで楽しめるお山です。
鎌北湖やユガテは春がメインなので、これからの時期は物見山から武蔵横手駅を目指し、道中の滝で涼を楽しむのも良さそうです。秋には曼珠沙華が控えているのでその時期もオススメ、歩く季節によってバリエーション豊富な西武線沿線の山々を楽しんでみて下さい。
\今回使用した山道具はこちら/
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